モニターレポート Ⅱ > 眼鏡のアイビイ |東京都世田谷区|下高井戸商店街

モニターレポート

老眼鏡・近々・中近の3種類のメガネを体験レポート

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山口唯観さん 写真右(49歳、通訳・ガイド)



子どものころから「目」で困ったことはありませんでした。視力は常に1.5から2.0。
30代なかばまでは満員電車で立ったまま、新聞をちいさく折りたたんで顔からの距離10センチ以内で読めていました。
メガネとは無縁でずっと生活しており、それがひそかな自慢でもありました。



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「あれ?」と感じたのは30代後半から40代にかけてです。たとえば居間でテレビを見ているとき、突然家族から「これ読んでみて」と雑誌などを視界30センチくらいの場所にさしだされたりすると、うまく焦点があわず煩わしく感じることが多くなりました。
目に自信があった私にはそれが何なのかわかりませんでした。疲れているのか、白内障といった目の病気なのか、それとも年齢のせいなのか・・・
あるときたまたまスーパーのメガネ売り場で安い老眼鏡を試着したところ、うそのように世界が明るく、はっきりと見え、ようやく「それ」が「老眼」のせいだと自覚するにいたったのです。




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さっそく調達した老眼鏡は単焦点で、もっとも弱い1.0のものでした。40代なかば前だったと記憶しています。
3~4年はそれでとくに困るようなことはありませんでした。


ところが3年ほど前からだんだんと、そのメガネも弱くなった、つまり老眼がすすんできたという実感をもつようになりました。
けれども自分のなかには「かけるメガネの度が強くなればなるほど老眼の度合もすすんでくる」という先入観がありました。


表現が適切かどうかわかりませんが「薬に頼ると体が弱くなる」というのと似た発想かも
しれません。



それなので「視力回復訓練」のようなものを試そうとしたり、ときには念力めいた気合をもって小さな文字を読みながら眼力(めぢから)の強化を図ったりしたのですが、一瞬文字が読めたとしても目が疲れるばかりで効果を感じることはできませんでした。



老眼が進んだと自覚した場合、目のためには、度の弱いメガネでできるかぎりがんばるのがいいのか、現実を受け入れてその状態に合ったメガネの力を借りるのがいいのか、あれこれ悩んでいたところ、アイビイさんから「老眼鏡も生活シーンに合わせて使い分けてはどうか」というご提案とともに、3種類のメガネを試用する機会をいただきました。
検査をしながら、「今とくに困っていること」および「どのレベルを目標にするか」ということをたずねられました。



そこで自分の職業(通訳・ガイド)と生活を再点検したところ、次のような特徴が見えてきました。

● 会議室等、屋内で仕事をすることが多い。
● パワーポイントを使用するため、室内はおおむね暗い。
● 暗いなかで、PPのスクリーン(中距離)と手もとの資料(近距離)の間をめまぐるしく移動させなければならない。
● スマートフォン購入にともない、パソコンのモニター以上に小さな画面(地図など)、小さな文字(辞書など)を読む機会が多くなった。



上記のいずれもが老眼の身にはこたえます。
そこでいつでもチェックできるという点から、さしあたり「スマートフォンの文字を拡大せず、最小文字で全画面を読むことができる」というレベルを矯正の目標にしてみました。



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結果は以下のとおりです。



<近用専用>
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これまでずっとなじんできた単焦点のメガネで、
度を1.5に上げていただきました。
おかげさまでよく見えるようになりました。
近くを見るときに装着し、遠くを見たいときははずす
(はずさなければならない)、という単純なもので、
着脱のわずらわしさはあるものの、やはり一番安心感があります。

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スマートフォンの最小文字は多少ぼやけます。メガネの度がまだ弱いのかもしれませんね。でも「普段の生活」ではこればいちばん疲れず快適です。





<中近>
仕事で使ってみて驚きました。パワーポイントのスクリーンがたいへん鮮明に見え、手もとの資料
もはっきりと読めました。
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スマートフォンの最小文字もきちんと読めて感激しました。
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ただし、メガネはかけたままで、首や眼球を動かすことによって合う焦点をさがすため、距離の変更が頻繁になるとけっこう疲れます。
また鮮明に見える範囲が狭く、そこからはずれた場所(極端に言えば真正面以外)は風景が不自然にゆがみ、まるでムンクの絵画のようになってしまいます
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一度これをかけてジョギングしたことがあるのですが、裸眼とちがって近距離も遠距離もはっきりと見えるので楽しいといえばたいへん楽しかったのですが、周囲にゆがみが生じるため危険だとも思いました。
このメガネは、「屋内での通訳の仕事」といった場面でこそ力を発揮するものでしょう。







<近近>
自宅で近くのパソコンを操作しながらテレビ(2メートルほどの距離)を見るのにちょうどよいメガネです。しかし、慣れていないせいなのかもしれませんが、焦点が合う位置をさがすのに多少時間を要し、それによってわずかなタイムラグが生じるのがわずらわしいです。
パソコンを打ちながらお客さまに応対する、たとえば「旅行会社のカウンター業務」などに適したメガネではないかと思います。

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結論としては:
●ふだんの生活および屋外でのガイドの仕事では「近用専用」が快適。
●屋内での通訳の仕事の場面では「中近」が便利。

今後はこの2種類を使い分けようと思っています。
今のライフスタイルでは「近近」はあまり必要性を感じません。




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Patisserie Noliette

ところで、老眼の度がすすんだ場合、やはりそれに合わせてメガネの度も上げたほうがいいのでしょうか?
まだあきらめきれていないのですが・・・・・








モニターを終えて

このたびはモニターにご協力いただきまして、誠にありがとうございます。
現在もモニターは継続中ですが、1ヶ月ほど経ちましたので一度まとめたいと思います。



*問診回答のまとめ

老眼の自覚あり、近方視を楽にしたい。 13[1].gif

対象距離、対象物は下記のとおり

要望1. 30㌢離れたスマートフォンで4㍉角程度の文字をはっきり見たい。
要望2. 60㌢離れたパソコンのモニターを見やすくしたい。
翻訳の作業の場合、パソコンモニター・パソコンキーボード・手元の書類・スマートフォンの英文、をリズム良く見られることが作業効率の良さである、といった要望でした。



上記に対して3種類のメガネを用意しました

① 老眼鏡 40㌢前後が最も明瞭です。
30㌢と60㌢も見えますが目には負担が掛かります。
掛けたり、外したりの手間が掛かります。

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② 近近 20㌢から始まり70㌢までの距離を目の負担無く見られます。
老眼鏡に比べると、練れるまでピントが合いにくいです。
60㌢前後が最も見やすく、いわゆるデスクワーク仕様です。



③ 中近 20㌢から3㍍ぐらいまでの距離を目の負担無く見られます。
60㌢前後が最も見やすく、20㌢や3㍍は明瞭さに欠けます。
オフィス仕様、又は屋内仕様と呼ばれています。


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上の図は、正視の場合の目安です。


さて~問診は40分程要しました。
ここで【問診】について一言。
眼鏡作成において【問診】の重要性を例えるならば、作戦会議といったところです。
目的(対象距離・対象物)を特定し、数あるアイテム(遠近・中近・近近・老眼鏡など)から何を選択すると目的達成がスムーズなのか、といった具合の作戦会議です。

今回の場合アイテムは、老眼鏡・近近・中近でした、またその際の度数は対象距離・対象物に重点をおきました。この場合、それ以外を目的から除外し対象をピンポイントで明瞭にします。


上記の目的に車両運転が加わったとします。image[6].jpg
その場合は眼鏡の複数所持をお薦めます。    





老視の最大の難点は、目的の一番近い距離と、目的の一番小さい対象物をクリアしなくてはならない、という点です。
例/お裁縫・刺繍・ビーズ・ホビーなど15㌢~20㌢程度
例/辞書・爪きり・携帯電話など30㌢~40㌢程度



読者の皆様にお伝えしたいのは、問診の際は目的を整理していただくことが良いメガネ作製に欠かせないという点です。


ご年齢・仕事内容・使用中のメガネ・などなど【問診】の際は沢山の質問をさせていただきます。是非とも作戦会議に御参加ください。

皆様もお試しすることが出来ますので、店員にお尋ね下さいませ。

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